何故男性を祝うのでしょうか?
社会の仕組みが男性にとって優位なはずなのに、何故男性を祝う日があるのかと思われている方もいるかもしれません。国際男性デイの目的は、男性と男の子の健康に注目し、性に関する考え方を改善し、性の平等を促す肯定的な男性のロールモデルに光を当てることです。つまり、男性としての生き方は人それぞれで、映画スターやスポーツ選手の様に「強く」「格好良く」「たくましく」振舞うことをしなくても良いということなのです。
今まででしたら「男らしく」生きるというのは、感情を出さない、どんな犠牲を払っても勝つ、積極的に行動する、家族の為に仕事につきお金を稼ぐ、など固定概念がありました。しかし、「理想的」な男性という固定概念が現実と一致しないと、男性は敗北感、低い自尊心、そして孤独を経験します。
それだけに人は誰でも他の人と繋がっていたいのです。この様な人たちを社会の固定概念に当てはまらないからと言って、人との繋がりの和から離してしまうとどんなことが起こるでしょうか?
男性にも女性にも社会の期待を満たすという必然性は必ずあります。しかし、学校では男の子に問題がなぜ多いのか、刑務所に入所する男性は女性に比べてなぜ圧倒的に多いのか、50歳未満の男性の死因の第1位はなぜ自殺であるのか、これらの事実は検証する必要があります。
「脆弱性」は強み⁉︎
英語のvulnerabilityという言葉は日本語では「脆弱性」と訳されます。ただし、私は「脆弱性」を上手に表現(脆弱時かどうかは社会通念的な発想であり、むしろそれらは男性が人として持つ多様性の表れ)できれば、それはむしろ強みだと信じています。
しかし、男性にとって脆弱と見られる感情を上手に表現し理解してもらうにはまだ難しいと言わざるを得ません。何故なら脆弱と思われる男性の感情は長い間社会が作り上げてきたジェンダーの役割外になるからです。
だからこそ男性が「男らしい」という固定概念に囚われるのではなく、男性の多様性を自ら知る意味でも、国際男性デイはとても大切な一日なのです。